幼稚園ってどんなところ?意外と知らない幼稚園

幼稚園ってどんなところ?意外と知らない幼稚園

小学校に入学する前の子どもたちの多くは、「幼稚園」、「保育所」、「認定こども園」に通いますよね。子どもをどの機関に通わせたらよいか迷っている方もたくさんいらっしゃるでしょう。
この3つの中のひとつである幼稚園ですが、実際にはどのようなことをしているのか、いろいろな幼稚園で違いがあるけれど、決まりはないのかなど、知らないこともあるのではないでしょうか。
そこで、ここでは、幼稚園っていったいどういう機関をいうのかということを解説しますね。

幼稚園は教育する機関

日本の学校教育では、小学校以降になると授業を組み立てていく上で基にする「指導要領」というものがあります。各学校は、これに基づいて、教育する内容を計画してつくりあげていきます。
「幼稚園」は、小中学校と同じように、文部科学省が管轄する教育機関です。そのため「幼稚園教育要領」というものがあり、それに基づいた内容で子どもたちを指導しています。
その指導要領は、改訂を繰り返されながら、よりよい教育に向けて方向づけられるのですが、幼稚園指導要領も、今年2月に文部科学省より改訂版が出されました。
今回の改訂でとくに注目したい点は、次の4つです。
・幼稚園教育において育みたい資質と能力を明確化
・5歳児終了時までに育ってほしい具体的な姿を「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として明確化するとともに、小学校と共有することにより幼小接続を推進。
・幼児一人一人のよさや可能性を把握するなど幼児理解に基づいた評価を実施。
・言語活動などの充実を図るとともに、障害のある幼児や海外から帰国した幼児など特別な配慮を必要とする幼児への指導を充実。

教育過程が改訂されて何が変わったの?

教育過程が改訂されて何が変わったの?

指導要領については、パパやママでも知る機会はありますが、詳しく調べようとはあまり思いませんよね。そこで、今回の改訂で、どのようなことが変わったのかを解説しますね。
注目したい改訂ポイントはふたつ。ひとつは「幼稚園」「保育園」「認定こども園」は、「幼児教育施設」として位置づけられるようになったこと。そしてもうひとつは、幼児期(5歳の終わり)までに育ってほしい姿を明示されたことです。
どのように育ってほしいと明示されたかがとくに気になるところですよね。
それは次のように挙げられています。
5歳の終わりまでの子どもは、小学校以降のような教科指導で育むのではなく、遊びや生活の中から自発的につぎの資質や能力を育てることが大切だということで、その柱として次の3つが挙げられています。

1.知識及び技能の基礎

豊かな体験を通じて、感じたり、気づいたり、わかったり、できるようになったりする。
これは、たとえばブロックや積み木で遊ぼうというときに、子ども自身が「何をつくろうかな?」「どうやってつくろうかな?」「どうしたらうまくできるかな?」「こっちのほうがいいかな?」「思ったようにできた」というような経験が必要だということです。

2.思考力・判断力・表現力の基礎

気づいたことやできるようになったことなどを使い、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする。
これは、それまでの遊びの中で得たことを使って、もっとこうしたらいいかもしれない、もっと楽しく遊ぶためにはどうしたらいいだろうなどと考えることが大切であるということです。

3.学びに向かう力・人間性等

心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとする。
やってみよう、試してみよう、楽しそうだなど、チャレンジしようとする気持ちやどうしたらもっとよくなるかなど考えていく力を育むという考え方です。
これらの資質・能力は、「思考力」「判断力」というようにひとつひとつをとり出して育てていくということではなく、遊びを通して体験していく中で、教育的指導を行い一体的に育てることがとても大切だということです。
なかなかハードルの高い目標のように感じますが、それを目指して指導してもらえたら素晴らしいですね。

文部科学省のいう幼児期に育ってほしい姿って何?

文部科学省の指針では、幼稚園教育で指導されたことが、5歳児終了時の姿として、小学校の先生方と共有することが大切であるといっていますが、一体それはどういうことを意味しているのでしょうか。
現行の幼稚園教育要領には、「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」という5つの領域があります。これを元に今回はさらに具現化されて、「健康な心と体」「自立心」「共同性」「道徳性・規範意識の芽生え」「社会生活との関わり」「思考力の芽生え」「自然との関わり・生命尊重」「数量・図形、文字等への関心・感覚」「「言葉による伝え合い」「豊かな感性と表現」の10項目が挙げられるようになりました。
このようにさらに細かく分けることによって、幼稚園で学んだことが小学校教育にも生かされて、連携ができるようになると考えられたようです。

滑り台に登る女の子

指導要領は指導者用のものなので、パパやママに直接は関係しませんが、子どもにどのような教育をしようとしているのかは、知っておきたいですよね。
文部科学省が掲げたように、幼児期の子どもたちは、遊びなどのたくさんの経験をしていろいろと学んでほしいですね。

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