食事のあいさつはいつ、どうやって教える?

食事のあいさつはいつ、どうやって教える?

私たちがいつでも当たり前にしている「あいさつ」。
その中には、日本特有のあいさつもあります。
食事のあいさつ「いただきます」もそのひとつですが、子どもにはいつ、どうやって教えてあげたらよいでしょうか。

食事のあいさつといえば、「いただきます」と「ごちそうさまでした」ですよね。
私たちは、何気なく使っていますが、物心がついたころには、きちんと言えるようになっていたと思います。
また、保育園でも、幼稚園でも、小学校でも、中学校でも、学校での食事前は必ず「いただきます」を言い、食事が終わると「ごちそうさま」と言ってきました。
その食事のあいさつは、何歳ごろに、だれが、どうやって教えてくれたのでしょう。

食事のあいさつ

どこの国でも「いただきます」は言うの?

食事のあいさつである「いただきます」と「ごちそうさま」は、じつは日本独特のあいさつだったとご存知でしょうか。
日本以外の国では、食事の前に「いただきます」とは言いません。
例えば、身近な国でいえば、おとなりの国、韓国では「さあ、食べましょう」という意味の「チャ・モクチャ」と言ったり、「よく食べます」という意味の言葉「チャルモクケッスムニダ」と言ったりします。
また中国では「いただきます」と同じ意味を持つ言葉としては、「我先吃啦(ウォシェンチィラ)」になるかもしれないということですが、それを食事の前に言う習慣はないそうです。
日本在住のアメリカ人の中には、「いただきます」と言っている方もいらっしゃいますが、アメリカで「いただきます」という習慣はなく、食事前に何か声をかけるとしたら「Lets eat」と、みんなに「さあ、食べよう」というだけだそうです。

「いただきます」ってどうしていうの?

食事の前のあいさつとして「いただきます」というのは、なぜかという答えには諸説あります。
その中でも、一番よくいわれるのが、「生き物をいただきます」という食物への感謝の気持ちが込められているという説です。
「いただきます」の「いただく」という言葉は、人間の「いただき」部分、つまり「頭の上」に何かを載せる動作のことをいう言葉です。
そして目上の人からものを賜るときには、よくテレビなどでみかけるように、「ハハ―」と手を頭上にあげ、慎み深く、感謝の気持ちを込めて受け取っていますよね。
このことから、「いただく」は、「もらう」という言葉の謙譲語となったそうなのです。
室町時代になると、狂言の中で「食べ物や飲み物を与えてくれる人や神様」に対して感謝の気持ちを込めて「いただく」という言葉として発展していったそうです。
こういった経緯から、「いただきます」は、感謝の気持ちがこもった言葉として、使われるようになりました。
しかも、この感謝の気持ちは、つくってくれた人や神様のみならず、食べ物にかかわってくれたすべての人に対しての感謝と、食べ物となったもの、例えばリンゴやみかん、ニンジン、じゃがいもといった野菜、そして、肉となる牛や鳥にも感謝の気持ちを込めて「命をいただきます」という意味で、いうようになりました。
「ごちそうさま」も同じように、そういったものたちの命を「ごちそうになりました」という感謝の気持ちが含まれています。

 あいさつは見て聞いて覚える

あいさつは見て聞いて覚える

子どもが何かを覚えていくときは、見たり、聞いたりしたことを真似していくことから始めます。
とくにあいさつのように毎日することは、「こうしましょう」「こうやりなさい」と言って聞かせるよりも、パパやママがやることを真似させることが一番です。
パパやママは、子どもがお座りをして自分で食事を食べることができるようになってきたら、意識的に「いただきます」や「ごちそうさま」を子どもの前でやっていきましょう。
パパやママが、子どもといっしょに食べるときが一番よいですね。いつもよりしっかりと、意識して言うとよいですよ。
一度家事などの手を休めて、子どもといっしょに「いただきます」といって食べはじめ、そして「ごちそうさまでした」と言ってから食器などを片付けます。これを繰り返し行うことで、子どもは食事のあいさつを覚えでいきます。
言葉の意味は、もっと大きくなってから教えれば大丈夫です。

食事の時間は、和やかな時間になるのが一番ですよね。しつけも大切ですが、あいさつをした、しないということにとらわれるよりも、楽しく食事をする習慣をつけていきましょう。
そして、その中にあいさつもすることを、くせになるように繰り返して教えてあげましょう。
叱ったり、怒ったり、あせることなく、気持ちを楽にパパやママがあいさつをしていれば大丈夫です。

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