シュタイナー教育ってどんな教育法なの?

シュタイナー教育ってどんな教育法なの?

小さなお子さまを育てているご家庭では、いろいろな教育法を耳にすることがありますよね。シュタイナー教育も子どもの教育法のひとつです。
それでは、どのような教育法なのでしょうか。そして、家庭でも取り入れることができるものなのでしょうか。

シュタイナー教育とは

シュタイナー教育は、オーストリア(現在のクロアチア)生まれの哲学者である、ルドルフ・シュタイナー博士によって提唱された教育法です。
シュタイナー博士の研究範囲はとても広く、教育たけに留まらず、思想家としても活躍し、また、経済や医学、農業などにも影響を与えました。
そんなシュタイナーの教育の一番の特徴は、「からだ」「こころ」「あたま」のバランスを重視するということで、一言でいうなら、からだとこころとあたまがバランスよく調和することを目指した教育といえるでしょう。

シュタイナー教育って具体的にはどんな感じなの?

シュタイナー教育って具体的にはどんな感じなの?

日本でシュタイナー教育を取り入れている幼稚園や学校は、あまり多くはありません。その理由としては、「テレビを見ない」「キャラクターものは利用しない」「食べ物はオーガニックを基本とする」などの考え方を、徹底して実践するのがなかなか難しいからかもしれません。
けれど、シュタイナーはこれらのことにこだわりをもちました。その理由は、子どもが、おとなになったときに、身体だけ発達し過ぎても、また感情的になり過ぎても、そして知識だけが豊富になり過ぎてもよくないと考えることの弊害になるとかんがえたからです。からだとこころとあたまが「バランスよく調和する」することを目指すために、シュタイナーには独自の教育観があったということの表れでもあります。
その独自の考えがよくわかるのが、次のような成長の段階を「7年」ごとに分けた考え方です。
0~7歳 「からだ」を育てる大切な時期
7~14歳 「こころ」を育てる大切な時期
14~21歳 「あたま」を育てる大切な時期
シュタイナーは、このそれぞれの時期と「からだ」「こころ」「あたま」の育つ順番が大切だといいます。
日本の義務教育課程の分け方とは、ずいぶん違いますよね。
しかし日本のシュタイナー学校では、日本の義務教育に沿って、12年制の一貫教育というかたちで運営されています。

シュタイナー教育では早期教育は推奨していません。思考力を中心的に育てるのは14歳以降一番よいという考えからです。7歳までの子どもは、手足をたくさん動かし、感情を豊かにするような体験をたくさんさせることが大切だといいます。それは14歳までがよいというのが、シュタイナー教育の考え方です。
また、学校では教科書は使わない、芸術的な手法で学ぶ、子どもを点数で評価しないといった点もシュタイナー教育の特徴のひとつです。

シュタイナー教育を家庭で取り入れるには?

シュタイナー教育を家庭で取り入れるには?

シュタイナー教育は、このように独自の理論に基づく教育ですが、家庭で取り入れるのが難しいというわけではありません。
シュタイナー教育の中で、自分たちの家庭の考え方に合うものがあれば、進んで取り入れることはできるのです。
たとえば、シュタイナー教育では、テレビやビデオ、キャラクターものは利用しません。
家庭でテレビやビデオを一切観ないとなると、難しいかもしれませんが、観るテレビ番組を絞る、ビデオはこういう種類の内容にするなどと、何でもOKとしないという取り入れ方ならできるのではないでしょうか。
またシュタイナー教育では、幼児期は、健康な「からだ」をつくることが一番大切な時期だといっています。おうちでは、手足をたくさん動かして遊んだり、公園などに出かけて遊んだりするということもシュタイナー教育のひとつです。そういった経験の繰り返しによって、「意思」や「想像力」が発達するというのがシュタイナー教育の考え方です。
そのほか、うたや音楽はテレビやCDを通してではなく、できるだけ人が目の前で歌ってあげるようにするというのもシュタイナーの考えです。パパやママがピアノを演奏したり、歌を歌ってあげることならできそうですよね。

シュタイナーは、小さな子どもはとても吸収力が高いと考えています。だからこそ、刺激を与えすぎない方がよいといいます。シュタイナー幼稚園で、ピンク色のカーテンや木製のおもちゃや木の実などに囲まれた温かく柔らかい雰囲気の環境をつくることは、きっと子どもに安心感を与えることで成長を促そうという考えのものなのかもしれません。
安心感のある環境で、ゆっくり成長することが、子どものは何よりも大切であるというのがシュタイナー教育の魅力といえます。

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